前書き
皆さん、こんにちは。丘主です。最近、新型コロナウイルスの影響により、日本においてリモートワークが『半強制的に』普及し、1Rを借りている方たちも1LDKや2LDKの小型マンションを検討し始めました。このような小型住宅について分析する際に、私は物件が投資物件なのか、自己居住用物件なのかを強調することがあります。
それでは、投資物件と自己居住用物件の区別はどのようになるのでしょうか?また、それぞれにどのような利点や欠点があるのでしょうか?この記事では、私がこれら2つのタイプの住宅の特徴を詳しく分析していきます。
投資ビルや自己居住ビルの起源と分類
もしあなたがデベロッパーまたは土地から建物投資を考えている投資家である場合、建設会社はおそらくあなたに次のような質問をするでしょう。
利回りはいくらにしましょうか?
聞き間違えではありません。ご自身がアパートを建てる場合、そのアパートの利回りをある程度制御することができます。その原理は、建設費用に主にあります。同じ規模、同じレベルの家賃の建物に対して、建設費用が低ければ低いほど、利回りは高くなります。
もちろん、コストが低い住宅は、居住体験においても割り引かれることが多いため、物理的な需要に反映されると、しばしば家賃も下がることになります。しかし、家賃の減少率がコスト削減率よりも低くなる限り、利回りが上昇する結論は依然として成立します。
賃貸料に影響を与えずに建築コストを削減する一般的な方法には、次のようなものがあります。
- 安価だが寿命の短い工法、建材、設備を使用することです。本質的には、短期的な利益を得るために、建物の収益サイクルを短縮することになります。開発業者は、この種の物件を長期保有するのではなく、転売する傾向があります。
- 建物の共用部分の建築コストを削減することです。室内に安価な装飾品や設備を使用すると、賃借人に気づかれ、賃料設定を相応に下げる必要がある場合があります。ただし、壁に対するコスト削減などを行う場合、結果として、防音性や断熱性が低下する可能性があります。これらは、賃借人が物件を見る際には気付きにくく、建築コストを圧縮する『保護』の下で賃貸料を維持することができます。
これで、私たちが見ているアパートに戻りましょう。上記の建設費用と住戸タイプに基づいて、日本市場で流通している中古アパートを人工的に3つのカテゴリーに分けることができます。
自己居住用マンション
自己居住用は、その名の通り、一般家庭向けの住宅として販売するために建設されたアパートです。代表的な例としては、次のようなものがあります。
- 大手開発業者による建設:東急不動産のブランズシリーズ、野村不動産のプラウドシリーズ、大和のプレミストシリーズなど。
- 中小開発業者による建設:秀和レジデンスシリーズ、藤和シティホームズシリーズ、90年代以降のライオンズガーデンシリーズなど。
自己居住用マンションは、住居環境を長期的に安定かつ快適にするために、建材、構造、工法、管理、修復などに比較的高いコストを投入しています。このようなマンションは、私たちにとってもっとも馴染みのあるタイプです。
もちろん、自己居住マンションには完璧な点ばかりではありません。たとえば、自己居住ビルの賃貸利回りは、他のタイプよりも高くありません。また、一部のコストが高級で寿命が限られた設備(例えば、食器洗い機、床暖房、浴室乾燥機)に費やされたため、賃貸時のメンテナンスコストが上昇しています。そのため、自己居住ビルは、販売に適しており、賃貸には適していません。
投資用マンション
投資用マンションは、主に賃貸収入を得るためのマンションです。最も典型的な投資物件は、15-25平方メートルの1Rマンションです。
1Rマンションにはいくつかの特徴があります。
- 比較的小規模。1R投資ビルの戸数は、数戸から約100戸まであるが、そのほとんどは8〜30戸の範囲内に集中しています。
- 管理・修繕は必要最小限。ランニングコストを抑えるため、投資用マンションでは一般的に最小限の管理業務しか行われません。例えば、管理に関しては、主に定期的な清掃や近隣トラブルの処理などに限られます。また、管理の執行力も比較的弱く、いくつかの管理規則が完全に実施されない場合があります(例えば、バルコニーや共有スペースでの喫煙、ペットの飼育、騒音問題など)。修繕に関しては、主に小規模な修理・補修が行われ、大規模な修繕は少ないです。通常、1Rマンションの管理費と修復費は、それぞれ数十円から1万円程度です。
- 住戸の形状は細長く、独立した洗面台がありません。このようにすることで、1棟の建物にできるだけ多くの住戸を設置し、利益を最大化することが目的です。
- インテリアが均一で安価であること。特にキッチンやバスルームなどでは、投資物件のキッチンは移動可能な簡易キッチン(ミニキッチンまたはコンパクトキッチン)を使用し、床に組み込まれたシステムキッチンではなく、浴室のシャワーヘッドは浴槽の上に、床にはフローリングではなくビニルタイルが使われるなど、特徴的な点があります。
投資用マンションは、自己居住用マンションと比較して、内装が微妙なところがある以外、一般的に住宅性能も劣っています。これは、建設時にコストを削減したためです。具体的には、以下の点が挙げられます。
- 防音性:投資用マンションの防音性の低下は、床/天井材料やバルコニーの構造に主に起因します。
- 断熱性:投資用マンションの壁は通常薄く、建設時の気密性の要件も低いため、冬は寒く、夏は暑いという状況が起こりやすく、特に角部屋では顕著に現れます。
- 耐震性:投資用マンションは日本政府の耐震基準に従っていますが、地震が発生した場合の揺れは自己居住用マンションよりも強い場合があります。
半投半住マンション
半投半住マンションは、近年流行している新しい住宅形態です。そのコンセプトは、伝統的な投資マンションと半投半住マンションの中間に位置するインテリア、間取り、利回りを持つ建物を設計し、購入者が投資、短期間の自己居住、将来の賃貸に利用できるようにすることです。
最近のシティインデックスシリーズ、クリオラベルヴィシリーズは、比較的典型的な半投半住マンションです。
半投半住マンションには、以下のような特徴があります。
- エリアの優位性:一般に市中心部から駅が近い地域に位置しています。
- 小規模でコンパクト:50戸以下の物件が多く、30〜40平方メートル程度で、間取りが不規則なものが多いです。また、建物の外観は一般的に細長い「ペンシル状」です。これは、土地の価格が高いエリアで建てられた小規模マンションの特徴といえるでしょう。
- 自己居住用に近い装修や設備:例えば、フローリング、浴室乾燥機、システムキッチンを使用することが多く、食洗機があることもありますが、床暖房やごみ処理機などの設備はあまりありません。
- 賃貸時には一般的に「高級賃貸」として位置づけられます:半投半住マンションは、賃料設定が通常月額10万円以上であり、都内の高年収シングル層を主な対象としています。
前述の通り、半投半住の建物は投資用不動産と自己居住用不動産の両方の特徴を兼ね備えています。この「特徴」には長所と短所が含まれています。半投半住の建物が賃借人を引き付けるのは、場所と設備の点においてです。東京都内の一等地の不動産価値は期待されますが、内装が比較的に高級なため、維持費用が高くなるという問題もあります。また、「高級賃貸」という位置付けの賃借人は、比較的素質が良く、近隣トラブルが発生しにくいですが、賃借人自身も住宅ローンを組みやすい層であるため、短期間でマイホーム購入のために退去することで、物件の募集コストや空室率が上昇する可能性があります。さらに、高級品として、自己居住用不動産に比べて高い収益率を得ることができる一方で、景気が悪化すると退去率が投資用不動産よりも高くなるというリスクがあります。
したがって、現在の市場において、半投半住の建物は、不動産の資産性と居住性の間で揺れ動く不動産初心者に設計されたものというよりも、不動産知識や地域経済に一定の知識を持つ半専門的な不動産購入者に適していると言えます。
もちろん、現実には上記の「典型的な」建物分類以外にも、ライオンズマンションシリーズやマイキャッスルシリーズのような投資用と自己居住用が混在している物件や、最近入室強盗で有名になった目黒のタワーマンションのように、低層部を賃貸用、高層部を自己居住用とする設計の物件など、「典型的でない」物件/シリーズが存在します。 この場合は建物を個別に分析し、それが投資用/自己居住用かどうか、またはより強い投資志向か自己居住志向かを区別する必要があります。
マンションの投資/自己居住タイプを判断する方法
まず、ここで明確にしなければならない概念があります。マンションの投資/自己居住タイプは『建物』単位で区別されるものであり、『部屋』単位ではありません。
理由は非常にシンプルです。例えば、リノベーションによって室内装飾や設備がより自己居住向きに改善された賃貸物件でも、それでも建築性能が低く管理が悪いという特徴は変わりません。同様に、古くて使い古された自己居住用不動産でも適切なリノベーションを施すことで依然として良好な状態を保つことが可能です。また、面積が広く間取りも四角形だからと言って必ずしもその家が自己居住用不動産であると断定することは出来ません – その家は単純にビル内の数少ない大型部屋かもしれず、全体的に見てビル全体は投資用不動産かもしれません。
以下の特徴を総合的に判断しましょう。
- 同じ建物内の他の部屋の間取り。この情報は、「ホームズ物件アーカイブ」(無料)や「マンションレビュー」(有料)などトから入手できます。もし25平方メートル未満の1Rがある場合、その建物は投資用不動産である可能性が高くなります。また、全体的に間取りが統一されており、30-40平方メートル程度の部屋が多い場合は半投半住マンションである可能性が高いです。
- 部屋の階数。一般的に日本では小さな部屋を低階に配置し、大きな部屋を高階に配置する傾向があります。したがって、40〜50平方メートル程度の家でも最上階に位置している場合は投資用不動産である可能性が高いです。
- 間取りと内装。先述したように床材やキッチンタイプ(ミニキッチンまたはコンパクトキッチン)、細長い形状かどうかなどから総合的に判断します。
どのタイプの物件を購入すべきですか?
どんな物件でも適した人がいます。以下に挙げる3つの異なるタイプに対して、
- 自己居住用:
- 自己居住ニーズを持ち、5年以上所有する予定の多くの方々に向いています。具体的には、自己居住用(特に最初の自己居住用)を購入することで生活品質が大幅に改善されます。また、50平米以上で新しい耐震性能を備えた物件は減税効果もあります。注意点としては、住宅ローン控除は『自分が居住中』の家屋にしか適用されないため、途中で家を貸す場合は控除が適用されなくなります。これが長期保有を推奨する理由でもあります。
- 転売目的で投資する方々: 自己居住用物件では賃貸収益率が高くありませんが、一般的に家賃収入だけでも維持期間中(毎月返済金込み)やや黒字化します。そのため需要より供給量が多い地域である程度投資価値のある自己居住用物件を取得し賃貸に出し、入居者が退去後再度売却して利益を上げることはリスクも少なく利益も高い投資モデルと言えます。
- 投資用:
- 自己が住む必要はあるが、生活の改善ニーズは非常に少なく、家賃を節約するためだけに物件を買う方。まず、強調したいのは、実際にこの条件に合う人々は想像以上に少ないということです。それは、家を買うことが理論上賃貸よりもお金を節約できるとされていますが、短期間しか自分で住まない場合はこの原理が成立しないからです。なぜならば、不動産は流通するごとに一定のコストが発生するからです。例えば、不動産仲介手数料や登記費用、不動産取得税料等の支出がありますし、将来賃貸に出す際に投資ローンに借り換えるため、高額な借り換え手数料を支払わなければならずますし、「売却」すれば再度不動産仲介手数料を支払わざる得ません。多くの場合、「投資物件(特に1R)」を購入しても賃貸のままで暮らし続けた方が経済効果的利益高く出ることもあります。
- マイホームのニーズがあるが、ご希望の物件となかなか出会えない方。「予算不足」の事情から価格相対的安価「投資用物件」選択せざる得ません;また、「最上階」「ルーフバルコニー付き」「通学区域が良い」と言った優位点持つ「投資用物件」稀存在します。「希少性・暮らしやすさ」と「資産性・収益性」両者考慮して判断する必要あります。
- 半投半住マンション:
- 物件とエリアの将来の見通しに自信を持っている消費者/投資家向け。前述したように、半投半住戸は魅力的に見えますが、この種の物件には上記のリスクが依然存在します。新しいコンセプトの商品として、供給と需要の関係や市場位置付け、価格動向などはまだ未検証です。そのため、初心者が無謀に参入することをお勧めしません。